『小学生以下』『小学生未満』と聞くと、「小学生も含まれるのかな?」と、ちょっと考えてしまいますよね。
お店のサービスなどでもよく見かけますので、その違いはしっかり理解しておきたいところです。
今回は『以下』と『未満』の意味の違いを解説した上で、余計なトラブルを防ぐための適切な使い分け方をご紹介します。
自分が『以下』や『未満』という言葉を使う側になった場合には、相手が理解しやすいように使い分けなければいけません。
理解して使っていたとしても、相手に正しく伝わらなければトラブルに繋がる可能性もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
「小学生以下」と「小学生未満」の違い
「以下」の意味
『◯◯以下』は「◯◯を含んで、小さい・低いもの」を指す時に使います。
『Aは0以下』を不等号で表すと「A≦0」。
家族で食べ放題のお店に行った時の『小学生以下は無料』というのは、乳幼児や幼稚園児はもちろんですが、小学生も無料で食べられるという意味になります。
また、「以下」の反対語は『以上』です。
不等号で表すと「A≧0」。
サッカークラブの入会対象が『小学生以上』と書かれていたら、小学生になるとクラブに入ることができるという意味になります。
「未満」の意味
『◯◯未満』は「◯◯を含まず、小さい・低いもの」を指す時に使います。
『Aは0未満』を不等号で表すと「A<0」。
イベント会場のアトラクションなどでは、『小学生未満は保護者同伴』と書かれていることがありますよね。
小学生未満に小学生は含まれませんので、この場合、小学生は一人でもOKという意味になります。
また、「未満」の反対語は『超過』。
不等号で表すと「A>0」ですが、一般的にはほぼ使われることのない言葉です。
使われるとしても「超過勤務」や「債務超過」などで、それ以外の場合は「◯◯を超えて」という表現が使われることのほうが多いです。
「以下」と「未満」の適切な使い分け
「◯◯以下」と「◯◯未満」には『◯◯を含むか含まないか』という違いはありますが、その使い分けに明確な定義はありません。
ただし、余計なトラブルを防ぐためには、相手に伝わりやすいように使い分けたほうが無難です。
そこでここからは、「以下」と「未満」の適切な使い分け方を解説していきます。
メリットのあることを伝える場合
この二つの文章を読んでみてください。
- 小学生以下は無料
- 中学生未満は無料
どちらも小学生までの子どもが無料になるという意味ですが、伝わりやすいのは1番の『小学生以下は無料』のほうです。
例えば、家族で食べ放題のお店に行った時、もし『中学生未満は無料』と書かれていたら、どのように感じるでしょうか?
一瞬「中学生も無料…じゃない」と思ってしまいませんか?
ちょっとガッカリですよね。
中には、中学生も無料と勘違いして食事をしてしまうお客さんもいるでしょう。
「中学生も無料って書いてたじゃん」と、トラブルになる可能性もあります。
トラブルにならないにしても、勘違いをした客は良い気分にはならないはずです。
せっかく良いサービスを提供しているのに、お客さんの気分を害しては意味がありませんよね。
しかし、『小学生以下は無料』と書かれていたら、中学生も無料になると勘違いするお客さんは、まずいないでしょう。
なぜなら、中学生という文字はどこにも書かれていないからです。
ですから、何かメリットがあることを伝えたい場合には『以下』を使うようにしましょう。
禁止を表す場合
今度はこちらの文章を読んでみてください。
- 小学生以下は入場禁止
- 中学生未満は入場禁止
どちらも「幼稚園児や小学生の子供は入場できない」という意味ですが、今度は2番の『中学生未満は入場禁止』のほうが自然に感じるでしょう。
なぜなら『未満』という言葉は、法律などで禁止項目を挙げる際にもよく使われているため、見慣れているからです。
例えば「20歳未満は飲酒禁止」。
これは「19歳以下は飲酒禁止」でも良いはずですが、『未満』を使っているのは、やはり勘違いを防ぐためと考えられます。
「19歳以下は飲酒禁止」だと、勘違いしてお酒を飲んでしまう19歳がいるかもしれません。
しかし、「20歳未満は飲酒禁止」なら19歳とはどこにも書いていないので、勘違いすることはありませんよね。
同じように、『小学生以下は入場禁止』と書いてしまうと、小学生はOKと勘違いされてしまう可能性があるわけです。
『中学生未満は入場禁止』と書かれていれば、小学生はOKと勘違いされることはありません。
ですから、禁止を表す場合には『未満』を使うようにしましょう。
まとめ
今回は『以下』と『未満』の違いや使い分けについて解説してきました。
- 小学生以下:小学生も含まれる、メリットがある場合に使う
- 小学生未満:小学生は含まれない、禁止を表す場合に使う
自分自身が理解するだけでなく、実際に使う時には相手の立場になって、伝わりやすいように使い分けてくださいね。