バスケの試合はファウルで試合が止まることがよくあります。
しかし、それがどういうファウルだったのか?また、スローインで始まったり、フリースローで始まったり、その違いも分かりにくいですよね?
そこで今回はバスケのファウルの種類について解説していきます。
審判の宣告の仕方についても解説していきますので、合わせて参考にしてみてください。
バスケのファウルの種類
パーソナルファウル
単にファウルと言えば、パーソナルファウルのことを言います。
シュートモーション中にファウルを犯すと相手チームにフリースローが与えられ、それ以外の場面では相手チームのスローインから試合再開となります。
ただし、各ピリオド(クォーター)でチームの累積ファウルが5回になると、5回目以降のファウルは、シュートモーション中かどうかに関わらず、全て相手チームのフリースローとなります。
また、試合を通じて個人の累積ファウルが5回になると、その選手は退場となり、その試合に出場することができなくなります。
主なパーソナルファウルは6つあります。
プッシング
相手を押してしまうファウルが「プッシング」で、審判は両手で押すマネをして宣告します。
手だけでなくお腹や背中で押した場合もプッシングとなり、相手がボールを持っているかどうかは問いません。
ドリブルをしている選手に対してや、ポストプレーやリバウンドのポジション争いの場面でよくあるファウルです。
ブロッキング
相手の進行を不当に妨げるファウルが「ブロッキング」で、審判は両手を腰に当てるポーズで宣告します。
ドリブルで切り込んできたオフェンスに対して、ディフェンス側が割り込む形で起こることが多いファウルです。
ホールディング
相手をつかんだり、押さえつけたりするファウルが「ホールディング」で、審判は手首を握るポーズで宣告します。
ポストプレーやリバウンドで、相手に腕を絡ませる行為などが多いですが、腕だけでなく身体のどの部分を使っても適用されます。
イリーガルユースオブハンズ
相手を手で叩いたり、手や腕で相手に触れてプレーを妨げるファウルが「イリーガルユースオブハンズ」で、審判は手首で腕を叩くしぐさで宣告します。
オフェンス側はドリブルで相手をかわす時に腕を相手に巻き付ける、ディフェンス側は相手のシュートの際に手で防ごうとして接触するなどで宣告されることが多いです。
ちなみに相手のシュートモーション中は、真っ直ぐ上に腕を伸ばした状態であれば、接触してもファウルにはなりません。
斜めに腕を伸ばして接触してしまうと、この「イリーガルユースオブハンズ」のファウルになってしまいます。
イリーガルスクリーン
不当なスクリーンは全て「イリーガルスクリーン」となりますが、これは総称で、実際にはプッシングやブロッキングなどが適用されます。
審判も個別のファウルのポーズで宣告しますので、イリーガルスクリーンかどうかは、スクリーン中のプレーかどうかで判断します。
ちなみに正しいスクリーンは両足が床に付いた状態で、シリンダー内で接触しなければなりません。(※シリンダーとは各プレーヤーが占める権利のある空間のことです。両足のつま先から真上の空間が、その選手のシリンダーとなります。)
スクリーン中に歩いたり、上体を動かしたり、腕を伸ばしたりすると、全て「イリーガルスクリーン」となります。
また、動いている相手や、相手の背後からスクリーンを仕掛ける時は、自分から密着していくと「イリーガルスクリーン」となりますので、相手から1歩分ほど距離を置いてポジションを取らなければなりません。
チャージング
無理に進行して相手に突き当たるファウルが「チャージング」で、審判はこぶしを握って、もう片方の手のひらを叩くしぐさで宣告します。
ドリブルで切り込む際に多いファウルですが、オフェンス側のチャージングなのか?ディフェンス側のブロッキングなのか?は、なかなか判断が難しいところです。
ディフェンス側がブロッキングのファウルを取られないためには、接触するなら自分のシリンダー内で、かつオフェンスの動きに対して先回りしなければなりません。
それが上手くできていて接触した場合には、オフェンス側のチャージングとなります。
ただし、バスケットコートのゴール下には「ノーチャージングセミサークルエリア」という半円のエリアがあります。
ディフェンス側がこのエリア内、もしくは片足でもラインを踏んでいると、オフェンス側が無理に進行して接触してもチャージングとはなりません。(※2011年より採用された新しいルールです)
ダブルファウル
ダブルファウルは両チームのプレイヤーが、ほぼ同時に何かしらのファウルを犯した場合に適用され、審判は両こぶしを挙げて交差させるしぐさで宣告します。
あまり起こることのないファウルですが、ポジション争いでお互いに掴み合っている場合などは適用されることがあります。
また、ダブルファウルはゲームの再開ルールがちょっと特殊です。
- シュートモーション中でもフリースローにはならない
- チームの累積ファウルが5個になってもフリースローにはならない
- 得点が認められた場面では、得点されたチームのスローインから再開
- どちらかのチームがボールをコントロールしている場面では、そのチームのスローインから再開
- どちらのチームもボールをコントロールしていない場面では、ジャンプボールシチュエーションとなる
ちなみに、ジャンプボールシチュエーションとは、どちらのチームにボールの優先権があるのか判断ができない場面で適用されるルールで、「オルタネイティングポゼションルール」とも言います。
第1Qが始まる時はジャンプボールが行われますが、その時にボールを保持できなかったチームに先に権利が与えられ、交互にスローインからゲームを再開します。
また、第2Q以降の開始時もジャンプボールシチュエーションのルールに沿って、スローインからゲームが再開となります。
テクニカルファウル
「テクニカルファウル」は身体の接触がない場面で、スポーツマンらしくない言動を行った際に適用されるファウルで、審判は手の平を見せる形でT字を作って宣告します。
例えば、相手チームの選手・監督・コーチや、審判・観客などに対して、失礼な態度で接する行為などが、スポーツマンらしくない言動と見なされます。
テクニカルファウルが宣告されると、相手チームにフリースローが1個与えられ、かつ相手チームのスローインから試合を再開します。
また、テクニカルファウルをした選手個人とチームには、それぞれ1個ずつファウルが累積されますが、1人の選手が2回宣告された場合は退場となります。
さらに、テクニカルファウルは監督・コーチを含むベンチメンバーにも適用されることがあります。この場合も相手チームにフリースローとスローインが与えられますが、チームファウルとしては累積されません。
アンスポーツマンライクファウル
「アンスポーツマンライクファウル」は、規則の精神と目的を逸脱しボールに正当にプレイしていないと判断された時に適用されるファウルで、審判は手首を握って挙げるポーズで宣告します。
例えば、速攻でドリブルしている選手に対して、後や横からファウルをした場合などですが、正当なプレーでも異常に激しい接触があった場合には宣告されることがあります。
テクニカルファウルと同様に、相手チームにはフリースローとスローインが与えられます。
また、アンスポーツマンライクファウルをした選手個人とチームには、それぞれ1個ずつファウルが累積され、1人の選手が2回宣告された場合は退場となります。
ただし、テクニカルファウルとアンスポーツマンライクファウルを1回ずつ宣告されても、合わせて退場とはなりません。
ディスクォリファイングファウル
「ディスクォリファイングファウル」は、特に悪質でスポーツマンらしくないと判断された場合に適用されるファウルで、審判は両手のこぶしを真上に挙げて宣告します。
例えば、相手選手の顔に肘をぶつけるなどの暴力行為に適用されますが、アンスポーツマンライクファウルを超える最も悪質なファウルなので、宣告された選手は一発退場となります。
また、監督やコーチなども、あまりにしつこく審判に抗議し続けた際などには宣告されてしまうことがあります。
相手チームにはフリースローとスローインが与えられます。
まとめ
今回はバスケのファウルの種類について解説してきました。
パーソナルファウルには主にこの6つがあります。
- プッシング
- ブロッキング
- ホールディング
- イリーガルユースオブハンズ
- イリーガルスクリーン
- チャージング
選手個人は累積5つで退場、チームは各ピリオドで5つ累積すると、ファウルのたびに相手チームにフリースローの権利が与えられます。
また、テクニカルファウルとアンスポーツマンライクファウルの2つは、相手チームにフリースローとスローインが与えられ、選手個人はそれぞれ累積2つで退場となります。
さらに、ディスクォリファイングファウルは、特に悪質な行為・プレーに宣告されて、一発退場となります。
ファウルの見極めはなかなか難しいですが、予備知識を持って何度も試合を観戦していると徐々に覚えていきますので、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。