ブルースタジオがリノベーションを手掛ける理由とは?

ブルースタジオがリノベーションを手掛ける理由とは?

今回は株式会社ブルースタジオの大島芳彦(おおしま よしひこ)さんと石井健(いしい たけし)さんが、カンブリア宮殿に出演した時の放送内容や感想を書いていきます。(2012年11月1日放送)

なぜブルースタジオは新築ではなくリノベーションを手掛けているのか?
それは日本が今抱えている大きな社会問題に対しての、一つの答えだったのです。

スポンサーリンク

大島芳彦と石井健が出演したカンブリア宮殿の放送内容

ブルースタジオがリノベーションを始めた理由

大島芳彦さんは2000年に、石井健さんは2001年にブルースタジオに入社しています。

また、今回は出演していませんが、二人の大学時代の同級生である大地山博(おおちやま ひろし)さんが社長を務めており、1998年に創業したようです。

大地山さんは広告・宣伝デザインを、大島さんは賃貸物件のリノベーションを、石井さんは個人住宅のリノベーションを主に担当し、この三人がブルースタジオの中心となって事業を行っています。

大島さんと石井さんはあとからブルースタジオに合流していますが、それまで勤めていた別の設計事務所での仕事には、「誰が使うのか分からない」という違和感を感じていたと言います。

また、高度経済成長期に建てられた多くの物件は建て替えなどが検討される時代に入り、今後の少子化もあって大きな社会問題になるだろうと思っていたそうです。

そこで、世界ではメジャーな住宅再生手法であるリノベーションを「日本でもできるはず」と考え、始めたのでした。

アイディアの生み方

番組では大島さんの物件再生術のポイントが2つ紹介されていました。

まず一つ目が「まっさらな状態で”魅力”を探す」こと。

大島さんはこれを引き算で物件を見ていると言い、実際に訪れた物件の窓やふすまを外していました。そして、この時に見つけたのが一般的な賃貸住宅では敬遠されがちな『緑』という魅力でした。

二つ目が「実際に歩いて周囲の街を徹底的に調査」すること。

大島さんは物件と街との関係が大事であると話しており、この時はその街がファミリー層が多いことを掴んでいました。

つまり、大島さんが行っているリノベーションのアイディアの生み方は、物件をなるべく先入観なしで見ることによって、その場(マーケット)にとっての存在意義を問い直すという方法です。

住宅は単なる物件ではなく『物語の舞台』とも話しており、デザインをする時は「モノ」ではなく「その後の暮らし」に着目することが大事になるようです。

スポンサーリンク

ブルースタジオが手掛けてきた物件

番組ではブルースタジオが手掛けた物件がいくつか紹介されていました。

【うめこみち】
以前は家賃3万円の部屋が1階と2階に2部屋ずつ計4戸だった築60年の物件を、メゾネットタイプの2戸(家賃11万円)にリノベーションしたことで即満室に。
⇒「うめこみち」の詳細

【下北沢 pinos】
築50年のアパートに、1階の二部屋を潰して共用のキッチンとリビングの設置されたシェアハウスにしたことで、家賃を3倍にしても予約待ちになるほどの人気に。
⇒「下北沢 pinos」の詳細

【大森ロッヂ】
築40年以上の長屋を住民同士のつながりを促すようなリノベーションを行ったことで、駅前の新築マンションと同じくらいの家賃でも満室が続いている。
⇒「大森ロッヂ」の詳細

【AURA243 多摩平の森】
旧多摩平団地に共用の貸し菜園や、隣接する高齢者専用住宅の食堂を住民以外にも開放したことで、地域住民とのつながりが生まれた。
⇒「AURA243 多摩平の森」の詳細

リノベーションのメリット

住む街から選べる

大島さんはリノベーションのメリットの一つとして「住む街から選べること」を挙げていました。

つまり、新築物件は増えていると言っても数が限られており、たまたまタイミングよく建てられた場所にしか住むことしかできませんが、中古物件ならどこにでもあるので、選択肢が無数になるということです。

直接的には言っていませんでしたが「新築物件は建てる必要はなく、中古物件を活用していけば十分」と言っているようにも聞こえました。

ですから、今回のカンブリア宮殿が放送された2012年当時でさえ、賃貸物件は5戸に1戸が空室になっていたそうですので、本当にこれ以上新築を建てる必要があるのかなと思わされましたね。

コストパフォーマンスが高い

石井さん曰く、リノベーションにかかるコストは「新築の半分~8割程度」のようです。

既成の新築住宅の場合は物件に自分の暮らしを合わせる必要がありますが、リノベーションの場合は自分の暮らしに合わせて家を造ることができます。

ですから、自分の理想のライフスタイルを手に入れられてコストも安いなら、本当に新築物件は必要ないと感じてしまいますよね。

新築物件も住んでいれば古くなって価値が下がっていきますので、新築に憧れる一時の感情だけで物件を決めることは、むしろ危険なんじゃないかとさえ思ってしまいました。

リノベーションのデメリット

番組では語られていませんでしたが、リノベーションにもデメリットはあると思います。

ちなみに古い物件であるがゆえの耐久性などは、しっかり基準を満たしてもらえば大丈夫なはずなので、これはデメリットにはならないでしょう。

また、ブルースタジオが手掛けた物件に多い「人とのつながり」が面倒に感じる方は、そもそも選ばなければ良いだけなので、これもデメリットとは言えません。

つまり、賃貸物件を選ぶ立場ではデメリットはないと考えられます。しいて言えば、その家賃に見合うだけの価値を感じられるかどうかになるでしょう。

しかし、リノベーションを依頼する側になった場合には、個人宅なら「本当にそれで住みやすい物件になるのか?」

賃貸物件のオーナーさんの場合は「それで本当に入居者が集まるのか?」が、実際にやってみないと分からないリスクです。

新築物件ほどではないにしても、かかる費用は決して安くはないはずですからね。

ですから、選択肢が増えるということは、その分こちら側にも見極める力や判断力が必要になってくると言えますね。

まとめ

『新築マンションの建設ラッシュ!』なんていうニュースを見るたびに、僕はいつも「人が減っているのに、物件だけ増やしてどうするの?」と思っていました。

しかし、今回の大島さんと石井さんが出演したカンブリア宮殿を見て、やはりその疑問は間違いではなかったというのが分かりました。

また、そういう大きな社会問題にこそビジネスチャンスがあるというのが、今回得られた教訓です。

番組の司会を務めている村上龍さんも「住宅の編集」という発想が新鮮に感じたようで、「編集という発想は、経済・社会・文化など、あらゆる領域に有効であると思う」とおっしゃっていました。

これからは新しいモノを作りだすより、どんな分野でも、抱えている問題を編集してくれるビジネスが、求められていく時代なのかもしれませんね。

⇒ カンブリア宮殿 出演者の記事一覧

スポンサーリンク

関連記事(一部広告含む)

サブコンテンツ

このページの先頭へ