稀勢の里の横綱昇進は甘い?過去の年間最多勝受賞力士の場合は?

稀勢の里の横綱昇進は甘い?過去の年間最多勝受賞力士の場合は?

ついに稀勢の里の横綱昇進が決まりましたね!稀勢の里の横綱昇進決定は非常に喜ばしいことですが、一方では『甘い』という意見もあるようです。

今回は稀勢の里の横綱昇進が『甘い』と言われてしまう理由や、「過去に年間最多勝を受賞した力士はどうだったか?」について解説していきます。

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稀勢の里の横綱昇進が『甘い』と言われてしまう理由

稀勢の里の横綱昇進が『甘い』と言われてしまう理由は、横綱の昇進基準である「大関が2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績を挙げた時」を満たしていないと考えられるからです。

稀勢の里は、今場所(2017年1月場所)での初優勝と、先場所(2016年11月場所)での準優勝が評価されて横綱昇進が決まりました。しかし、先場所は優勝した鶴竜に2つの星の差を付けられての準優勝ということで、「これが優勝に準ずる成績になるのか?」と言われています。

そもそも「優勝に準ずる成績=準優勝」というわけではないようですし、相撲界では一度も優勝した事のない双羽黒が問題を起こして廃業して以来、横綱の昇進には厳格に判断してきたという経緯もあります。
⇒ 大相撲で横綱になるには?歴代横綱の昇進時の成績から解説!

ただし、稀勢の里の場合は昨年(2016年)の年間最多勝も評価されたと言われています。

では、過去に横綱以外で年間最多勝を受賞した力士の場合はどうだったのでしょうか?

過去に横綱以外で年間最多勝を受賞した力士

年間最多勝の賞が設立された1957年以降、横綱以外で年間最多勝を受賞したのは昨年の稀勢の里を合わせて計11回、10人の力士が受賞しています。

受賞年 四股名 番付 11月場所 1月場所 3月場所番付
1960年 大鵬 関脇 13勝2敗 優 10勝5敗 大関
1968年 玉乃島 大関 12勝3敗 準 12勝3敗 準 大関
1969年 北の富士 大関 13勝2敗 優 13勝2敗 優 横綱
1972年 輪島 大関 11勝4敗 準 11勝4敗 準 大関
1984年 若嶋津 大関 11勝4敗 準 9勝6敗 大関
1988年 旭富士 大関 12勝3敗 準 14勝1敗 同 大関
1991年 霧島 大関 10勝5敗 8勝7敗 大関
1992年 貴乃花 関脇 10勝5敗 11勝4敗 大関
1994年 貴乃花 大関 15勝0敗 優 13勝2敗 優 横綱
2002年 朝青龍 大関 10勝5敗 14勝1敗 優 大関
2016年 稀勢の里 大関 12勝3敗 準 14勝1敗 優 横綱

この中で今回の稀勢の里の状況に最も似ていたのが旭富士です。旭富士は1990年の9月場所に見事横綱昇進を果たしていますが、年間最多勝を受賞した当時は横綱昇進の話題が上がるも昇進はできませんでした。

では、なぜ旭富士は横綱に昇進する事ができなかったのでしょうか?

ちなみに旭富士は現在の伊勢ヶ濱親方で、日馬富士や照ノ富士の師匠です。相撲協会の理事を務めるとともに、昨年(2016年)の3月場所までは審判部長を務め、最近は大相撲中継の解説として出演することもありますので、相撲ファンにはおなじみですね。

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当時、旭富士が横綱に昇進できなかった理由

厳密に言うと、旭富士の場合は1989年1月場所の優勝次点で横綱昇進の話題が上がったわけではなく、その後の5月場所で横綱昇進の話が出ました。

横綱昇進の話題が上がる前6場所の、旭富士と稀勢の里の成績の比較がこちらです。

旭富士 稀勢の里
1988年7月 11勝4敗 2016年3月 13勝2敗 準
9月 12勝3敗 準 5月 13勝2敗 準
11月 12勝3敗 準 7月 12勝3敗 準
1989年1月 14勝1敗 同 9月 10勝5敗
3月 13勝2敗 準 11月 12勝3敗 準
5月 13勝2敗 同 2017年1月 14勝1敗 優

優勝こそしていませんが、旭富士も横綱に昇進してもおかしくないほど素晴らしい成績ですよね?しかし、双羽黒が問題を起こして廃業したのが1988年1月だったため、その煽りを受けて旭富士の横綱昇進は見送られました。

そして、横綱に昇進できなかった旭富士は荒れた生活を送ったことで持病の膵臓炎を悪化させ、その後は5場所連続で1桁勝利に終わってしまいます。その直後の2場所連続優勝でついに横綱昇進を果たすも、慢性膵炎と脊椎分離症の影響で、横綱在位わずか9場所で引退となりました。

もし1989年に旭富士が横綱に昇進して、荒れた生活を送っていなければ、もっと凄い成績を残した横綱になっていたかもしれませんね。

旭富士と稀勢の里の違い

では、なぜ旭富士の横綱昇進は見送られ、稀勢の里は横綱に昇進できたのでしょうか?

理由は三つ考えられます。

まず一つ目が稀勢の里は優勝しているからです。旭富士も大関時代に一度優勝していますが、昇進がかかる場所で優勝するか、優勝次点(準優勝)で終わるかの違いはやはり大きいでしょう。

二つ目が大関在位場所数です。旭富士の横綱昇進の話題が上がった時は、まだ在位10場所だったのに対し、稀勢の里は31場所です。稀勢の里は一度カド番を経験していますが、5年にも渡って大関として安定した成績を残していたのも、理事会や横審に良い印象を与えたはずです。

最後に三つ目が、時代の違いです。旭富士の時は「横綱昇進はとにかく慎重に」という時代でした。しかし、稀勢の里が横綱に昇進した今の時代は、長い間日本出身力士が誕生していないことから「早く日本出身横綱が誕生してほしい」という時代です。

時代が変われば、横綱昇進に推薦する理事会の審判部も、それを審査する横綱審議委員会も、その中にいる人間が変わります。全く同じ人間が判断するわけではありませんので、その判断が変わってしまうのもある意味仕方がないのかもしれませんね。

まとめ

稀勢の里が横綱に昇進できるのは、大関としての安定した成績と今場所の優勝が評価されたのは分かりますが、『甘い』と言われてしまうのも理解できるような気がします。

ただし、今回の横綱昇進にあたって稀勢の里自身が批判されるのは、とんだ筋違いです。稀勢の里が素晴らしい成績を残したのは事実ですし、横綱昇進を決めたのは協会と横審ですからね。

そんな批判をぶっとばす勢いで、来場所以降は横綱として活躍を期待しています!!

追記

【2017/3/26 追記】

稀勢の里が2017年3月場所で、貴乃花以来22年ぶりの新横綱優勝を果たしましたね!

13日目に負った怪我の影響が心配されましたが、見事な逆転優勝でした。

これで2場所連続優勝となりましたので、横綱としての実力は間違いなくあることが証明されたと言えるでしょう。

今後は早く怪我を直して、さらに横綱として活躍してくれることを期待したいと思います。

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