『以外』と『意外』は、意外(いがい)に間違いやすい漢字です。
使い方を間違えると全く意味が通じない文章になってしまいます。
しかし、使い方に迷っても、あるポイントさえ押さえておけば、迷わず使い分けられるようになります。
今回は「以外」と「意外」の意味の違いや、使い方のポイントについて解説していきます。
「以外」と「意外」の意味の違い
以外の意味
『以外』は「~の他に」「~の範囲外」という意味です。
例えば、このような使い方をします。
- 秋田県以外で行ってみたい所ある?
- りんご以外に好きな果物は?
- この洋服って、これ以外の色ありますか?
- 今回のテストは1~100ページ以外から出題します。
『以外』の反対語は『以内』ですが、上の例文で置き換えても意味が通じるのは、4番の文章のみです。(1~100ページ以内)
※『以内』については、こちらで詳しく解説しています。
意外の意味
『意外』は「思いのほか」「予想外」という意味です。
例えば、このような使い方をします。
- 秋田県は意外に良い所だよ。
- りんごは意外においしい。
- この洋服は意外に良い色だ。
- 今回のテストは意外に簡単だった。
反対語は『当然』です。
上の例文の「意外に」と置き換えると、ちょっと違和感はありますが、一応全て意味は通じます。
「意外」を「以外」と間違えることが多い
よく見る間違いとして多いのが、「意外」を使うべき所で「以外」と書いてしまっているパターンです。
例えば「秋田県は以外に良い所だよ」というような間違え方です。
逆に「秋田県意外で行ってみたい所ある?」という使い方で間違えているパターンは少ない印象を受けます。
おそらくこれは『意外』よりも『以外』のほうが使う機会が多いためと考えられます。
グーグルの検索結果でも、『意外』は3億5300万件、『以外』は7億1200万件と、約2倍の差がありました。
使う機会が多いからこそ、漢字の予測変換機能で『以外』が先に出てきてしまい、そのまま使ってしまう方が多いのでしょう。
しかし、だからこそ気を付ける必要があります。特に仕事で書く文章ではミスがないかを確認するべきですが、使い分けに悩んでしまうこともあるかもしれません。
そこで次からは『以外』と『意外』の使い分けのポイントについて解説していきます。
『以外』と『意外』の使い分けのポイント
『いがい』の前に句点を打ってみる
『以外』と『意外』の使い方で悩んだ時には、「いがい」の前に句点(、)を打ってみてください。
- 秋田県、以外で行ってみたい所ある?
- 秋田県は、意外に良い所だよ。
いかがでしょうか?
1番のように「秋田県」と『以外』で区切ると不自然ですが、2番のように「秋田県は」と『意外』で区切っても違和感はありませんよね。
ではもう一つ、「以外」と「意外」の使い分けを紹介していきます。
『いがい』を文章の最初に持ってきてみる
今度は『いがい』を文章の最初に持ってきてみました。
- 以外で秋田県で行ってみたい所ある?
- 意外に秋田県は良い所だよ。
いかがでしょうか?
1番の『以外』のほうはまた不自然に感じてしまいますが、2番は「意外」を最初に持ってきても意味は変わらず通じますよね。
『以外』だけが不自然に感じる理由
このように『以外』の場合だけ不自然に感じてしまうのは、『意外』は副詞ですが、『以外』は接尾辞(せつびじ)だからです。
※接尾辞とは、別の言葉の後ろに付くもの。
だからこそ『以外』の直前を句点(、)で区切ったり、『以外』を文章の最初に持ってきたりすると、意味が通じなくなってしまうのです。
ここを意識するだけで、きっと『以外』と『意外』の使い分けで悩むことはなくなりますよ。
まとめ
今回は『以外』と『意外』の意味の違いについて解説してきました。
- 以外:「~の他に」「~の範囲外」
- 意外:「思いのほか」「予想外」
『以外』は接尾辞ですので、「別の言葉とセットになって初めて意味が通じる言葉」というのが、使い分けのポイントです。
使い分けで悩んだ時には、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。