牛タンと言えば、焼肉屋ではタン塩でおなじみですが、他のお肉よりもちょっと高めですよね?
また、なぜタン塩だけレモンをつけて食べるのでしょうか?
今回は牛タンが他のお肉に比べて高い理由と、タン塩にレモンをつけて食べる理由について書いていきます。
牛タンが高い理由
元々は安かった?
牛タン発祥の地と言われている仙台で最初に牛タンを提供したのは、「味太助」店主の佐野啓史郎さんです。
佐野さんは元々焼き鳥屋を営んでいましたが、戦後の食糧難の時代に「もっと安くて美味しい物を」という思いで、当時はまだ日本人に馴染みがなく安価だった牛タンを仕入れ、試行錯誤を経て現在の牛タン焼きを完成させて提供し始めました。
人気となり価格が上がった?
しかし、当時はあまり人気があったわけではなく、珍味として一部の客が締めに食べる程度だったそうです。
人気が出るようになったのは高度経済成長期に入ってからです。
出張や単身赴任などで仙台を訪れた人たちに評判で、テレビでも紹介されるようになり、牛タンと言えば仙台として有名になっていきました。
そして昭和50年代に入ると焼肉屋でも牛タンは『タン塩』として提供されるようになり、仙台以外でも身近な食材になっていったのです。
一頭からわずかにしか取れない
そもそも牛タンは牛の舌なので、500キロの牛からでもわずか2キロ程度しか取れない貴重な部位なのです。
しかも、牛タンはそのまま全て料理に使えるわけではなく、先っぽの固い部分は牛タン料理として提供することができません。表面のザラザラした部分も削られてしまいます。
さらに仙台の牛タン焼きでは、タンの旨みを引き出すために、熟成期間を置くという一手間も加えられています。
このように牛タンは、貴重な部位で手間も加えられている人気食材です。
需要と供給のバランスを保つ上でも、他の肉より価格が高いのは仕方がないと言えるでしょう。
タン塩にレモンをつける理由
牛タンは淡白な味だから
焼肉屋でタン塩にレモンをつけて食べるのは、牛タンは繊細で淡白な味なので、タレではお肉の味が消えてしまうからと言われています。
しかし、レモンもつけすぎると肉の味が台無しになってしまうため、ちょっとつける、もしくは塩だけで十分という方も多いようです。
ただし、仙台牛タンの場合は店員さんが味付けをしてくれているので、通常はそのまま食べるのが一般的です。
初めてレモンで食べたのは、六本木のママさん?
初めて牛タンにレモンをかけて食べたのは、六本木の叙々苑で常連だったクラブのママさんだったと言われています。
仕事終わりでサッパリと食べたかったから、もしくは猫舌で冷ますためにと、この辺は諸説あるようですが、レモンにつけたら合うと広まっていったようです。
結局は好み
タン塩にレモンというのは広まっていますが、中にはタレで食べるという方も多いと思います。
「タレではお肉の味が消えてしまう」とは書きましたが、そんなことはありません。
タン塩はタレにつけても美味しく食べることができます。
通ぶった人と一緒に行った時にレモンを強制されるのは、ウザいですよね。
さらに「普通はレモンでしょ」とか、「食べ方を知らない」なんて言われることもあるので、面倒臭いです(^^;)
しかし、結局は何につけて食べるかというのはその人の自由です。
少なくともこの記事を読んでいる方には、他の方にはレモンを強制せずに、好きなように食べてもらうようにしてほしいなと思います。