『以内』と『以下』は、どちらも同じ意味のような気がしますよね?
例えば「10km以内」と「10km以下」。
これはどちらも「10kmより短い距離(10kmを含む)」という意味を表していますので、この場合の『以内』と『以下』は同じ意味で使われています。
ただし、使い方によっては置き換えられない場合や、意味が真逆になってしまう場合もあります。
そこで今回は、『以内』と『以下』の意味の違いや使い分けについて、図を使って分かりやすく解説していきます。
『以内』と『以下』の意味の違い
『以内』の意味
その数値を含んで小さい・少ない
『以内』には「その数値を含んで小さい・少ない」という意味があります。
例えば「100円以内のお菓子」と言えば、100円より安い値段(100円を含む)のお菓子という意味を表します。
この場合の反対語は『以上』です。
「100円以上のお菓子」は、100円より高い値段(100円を含む)のお菓子という意味になります。
その数値を含んだ範囲内
『以内』には「その数値を含んだ範囲内」という意味もあります。
例えば「50円~100円以内のお菓子」と言えば、値段が50円から100円の間のお菓子という意味を表します。
この場合の反対語は『以外』です。
「50円~100円以外のお菓子」は、49円以下のお菓子と101円以上のお菓子という意味になります。
※「◯◯以外」には、◯◯は含まれません
『以下』の意味
その◯◯を含んで小さい・少ない
『以下』は「その◯◯を含んで小さい・少ない」という意味です。これが『以内』の一つ目の意味とほぼ同じケースで使われています。
例えば、先ほど「100円以内のお菓子」という解説をしましたが、これは「100円以下のお菓子」と同じ意味になります。
また「50円~100円以下のお菓子」と書くことで、同じように範囲を表すこともできます。
※100円を含めない場合は「未満」を使います
『以内』に置き換えられない意味
『以下』には、このような使い方もあります。
- 以下省略:「これよりあと」という意味
- 代表◯◯以下5名:代表を含め、その下にあるもの全部
この場合は『以内』と置き換えることはできません。
まずはこれが『以内』と『以下』の一番の違いとして押さえておきましょう。
意味が逆になるケース
「km」や「円」のように『以内』と『以下』を置き換えても意味が同じになるケースは多いですが、置き換えると意味が逆になってしまうケースもあります。
例えば『3位以内』と言えば、3位よりも高い順位(3位を含む)を指しています。
つまり、1位・2位・3位です。
しかし『3位以下』と言えば、3位よりも低い順位(3位を含む)を表します。
つまり、3位・4位・5位…です。
このように「順位」を表す場合の『以内』は、『以上』と同じ意味になりますので気を付けましょう。
まとめ
今回は『以内』と『以下』の違いについて解説してきました。
- 「100円以内」と「100円以下」:同じ意味
- 「3位以内」と「3位以下」:逆の意味
- 「以下省略」:「以内」に置き換えることはできない
『以内』と『以下』は何でもかんでも置き換えることができるわけではありません。
「その言葉が何を指しているのか?」その意味を理解することが重要ですので、ぜひ今回の内容を参考にしていただければと思います。