腕時計にはケースやバンドがチタン製のものとステンレス製のものがありますが、その違いは大きく6つに分けられます。
後で後悔しないためにも、腕時計のチタンとステンレスの違いは、買う前にしっかりと押さえておきましょう。
腕時計のチタンとステンレスの違い
重さ
チタン製とステンレス製の腕時計の一番の違いは、その重さです。
例えばセイコーのスピリットシリーズに、このような2本の時計があります。
- SBTM217(チタン製):縦44.5mm x 横37.8mm x 厚さ8.8mm、68g
- SBTM017(ステンレス製):縦43.2mm x 横38.5mm x 厚さ9.5mm、104g
ケースサイズにも若干違いはありますが、SBTM017はSBTM217よりも1.5倍の重さがあります。
これは両方の時計を一緒に持ってみると一目瞭然です。僕が時計の販売員をしていた時にも、よくお客様に試しに持ってもらっていましたが、その重さの違いに驚かない方はいませんでした。
ただし、これも好みがあります。
重い時計を好む方もいますので、一概に「軽いほうがいいですよ」というわけではありません。
しかし、腕時計は一日中身に付けていると何気に腕が疲れますので、なるべくその負担を軽減したいなら、チタン製を選んだほうが良いでしょう。
アレルギー
金属アレルギーはその金属によってアレルギーが起こる場合と起こらない場合がありますが、チタンはその中で最もアレルギーが起こりにくい金属です。
つまり、金属アレルギーでもチタン製なら使える可能性が高いということです。
さらに最近は『耐メタルアレルギー』という、全ての金属アレルギーを生じさせないよう配慮した素材を使用し、表面処理された腕時計もあります。
ですから、腕時計を身に付けたくても金属アレルギーが心配な方は、皮膚科の担当医に相談して、これらの腕時計を使用を考えてみてください。
錆びにくさ
ステンレスは錆びにくい金属ですが、チタンはもっと錆びにくい金属です。
厳密に言うとチタンは酸素に触れてすでに錆びているんですが、その酸化被膜によって覆われているため、海水などに触れてもそれ以上錆びることがありません。
時計が錆びる原因として汗がありますので、汗っかきな方にもチタン製の腕時計は良いかもしれませんね。
硬さ
チタンは錆びにくいがゆえに耐久性が強い金属と思われていますが、実はステンレスに比べると柔らかいので、傷がつきやすい金属です。
ただし、日本メーカーのチタン製腕時計では硬化処理が施されて、ステンレスと同等か、それ以上に傷が付きにくくなっているものも多くなっています。
各メーカーでは、このような表示で紹介されています。
- セイコー:ダイヤシールド
- シチズン:デュラテクト、スーパーチタニウム
- カシオ:チタンカーバイト
- オリエント:ハードコーティング
ですから「なるべく傷はつけたくない」という方は、これらの表示があるかをしっかり確認して時計を選んでください。
もしくはお店で買う場合は、直接店員さんに聞いて確認してみるのも良いでしょう。
光沢
チタンはステンレスに比べると、黒ずんで見える金属です。
硬化処理が施されたチタンは、そこまで黒ずんで見えるわけではありませんが、それでもやはりステンレスと並べてみると、その違いは分かりやすいです。
なので、高級感という意味では、ステンレスのほうが上という印象を受けます。
ただし、そもそも数10万円以上もする高級時計でチタン製というのも、ほとんどありませんけどね。
値段
チタン製の腕時計はステンレス製に比べると値段が高いです。
先ほど紹介したセイコーの2本の腕時計の場合も、定価は20000円違います。
- SBTM217(チタン製):58000円
- SBTM017(ステンレス製):38000円
おそらく量販店でこの2本の値段を比較しても、15000円くらいは違うでしょうね。
ただし、これは素材の違いだけではなく、硬化処理などの手間がかかっているからこそ値段が高いというのもあります。
まとめ
腕時計のチタン製とステンレス製の違いは、この6つです。
- 重さ:チタンのほうが軽い
- アレルギー:チタンのほうが生じにくい
- 錆び:チタンのほうが錆びにくい
- 硬さ:チタンのほうが傷がつきやすい(硬化処理されている時計もある)
- 光沢:チタンのほうが黒ずんで見える
- 値段:チタンのほうが高い
中でも気になるのが、やはり値段ですよね。
しかし、チタン製なのに思ったほど高くない腕時計があれば、それは硬化処理がされておらず、傷がつきやすい腕時計なのかもしれませんので、その辺はしっかりと確認をしてから買うようにしてください。
傷がつきやすい時計だったとしても、おそらく店員さんは聞かないと教えてくれないと思いますので気を付けましょう。