今回は、僕が関東で暮らしていた時に通じなかった秋田弁や、秋田県民が標準語だと勘違いしやすい秋田弁一覧をご紹介します。
初めて県外に出た時、秋田弁が抜けないのは苦労しましたが、実は他にもっと苦労したことがありました。
これから県外に行く予定のある秋田県民の方や、秋田県民以外でも秋田弁に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
関東暮らしで通じなかった秋田弁
なげる
秋田弁の『なげる』というのは「捨てる」という意味ですが、僕はこれを標準語だと思っていました。
- 僕「これもう、なげても(捨てても)いいですか?」
- 先輩「何で投げるの?」
- 僕「だってもうゴミですよね、これ?」
- 先輩「ゴミだけど、なんで投げるの?(怒)」
- 僕「…はい、すいません。」
秋田弁が通じなくて相手を怒らせたことはあまりありませんが、この時だけはちょっと怖かったです(^^;)
あっこ
秋田弁の『あっこ』というのは「あそこ」という意味です。
- 先輩「ねぇ、◯◯ってどこにあったっけ?」
- 僕「あっこにありますよ」
- 先輩「あっこって誰よ?(笑)」
ついとっさに出てしまうので気を付けていましたが、方向や場所を示す秋田弁は多いので、けっこう苦労しましたね。
標準語 | 秋田弁 |
---|---|
あそこ | あっこ |
そこに | そさ |
ここに | こさ |
どこに | どさ |
あっち | あっちゃ |
そっち | そっちゃ |
こっち | こっちゃ |
どっち | どっちゃ |
あんなに | あんたに・あんけ |
そんなに | そんたに・そんけ |
こんなに | こんたに・こんけ |
どんなに | どんたに・どんけ |
ちょす
秋田弁の『ちょす』というのは「触る」「いじる」という意味です。
これはさすがに僕も標準語ではないと分かっていました。
しかし、家電量販店の時計売り場で働いていた時、北海道出身の後輩が、お客様とこのようなやりとりをしていたのです。
- 客:「この電波時計、時間がズレちゃったんですけど直りますか?」
- 後輩:「あ~、ズレてますね。これ色々ちょしました?」
- 客:「…?」
- 後輩:「ボタンとか、色々ちょしましたか?」
- 客:「ボタン…」
この時はたまたま僕がそばにいてフォローしましたが、「北海道でも『ちょす』って言うんだな」と勉強になった出来事です。
後輩に「ちょすは、たぶん俺にしか通じないよ」と言ったら、かなり驚いていました(^^)
んだがら
『んだがら』は秋田弁で「そうだよね」という同意を表す言葉です。
明らかに訛っていますし、最初に「ん」がついていますので、これも方言であることは分かっていました。
ただ、僕はその標準語を「だから」と勘違いしていたのです。
- 友人:「今日暑くない?」
- 僕:「だから」
- 友人:「…」
標準語で「だから」と言えば「だから~」と何かの理由を伝える時、もしくは「だから?(それがどうしたの?)」という意味になります。
僕は「そうだよね」という意味で「だから」と返していたつもりでしたが、相手にしてみると『だから?』と伝わってしまっていた時があったわけです。
相手の反応が「なんかおかしいな」と思って気が付きましたが、この間違いには非常に焦りました(^^;)
秋田県民が標準語だと勘違いしやすい秋田弁一覧
他にも秋田県民が標準語だと勘違いしやすい秋田弁はたくさんあります。
その代表的な例を一覧にしてみました。
秋田弁 | 標準語・意味 |
---|---|
うるがす | お皿などを水に浸す |
うめる | お湯に水を足してぬるくする |
まがす | コップなどを倒して中身をまき散らす |
でかす | 終わらせる・完了する |
かだる | グループや仲間に入る |
のっかがる | 寄りかかる |
やっこい | 柔らかい |
なんもです | どういたしまして・大丈夫です |
へづね | 苦しい・辛い |
やがしめ | うるさい |
しねぇ(しんね) | 野菜の繊維筋などが固くて噛み切れない |
特に多いのが濁音のせいで訛っているという勘違い。
例えば『うるがす』を「うるかす」と言ってみるような感じですね。
僕も最初のうちは「標準語ではどう言うのか?」が分からなくて苦労しました。
これらは全部通じませんので、県外で生活を始めたばかりの方は、特に気を付けてください。
ただ、標準語にはない表現もありますので、秋田弁って実は便利なのかもしれませんね。
あえて使っていた秋田弁
めんけ
関東時代は秋田弁を使うのは恥ずかしかった思い出のほうが多いんですが、逆にあえて使うようにしていた言葉もあります。
その一つが『めんけ』です。
『めんこい』も『かわいい』という意味で有名な方言なので、関東時代の周りの友達も僕に乗せられてよく使っていました。
一緒にテレビを見ていて「あ、この子めんけーわ」、「いや、こっちのほうがめんけーよ」のような感じです。
~だべ?
『~だべ?』は中居正広さんがよく使っていたので、特に10~15年ほど前は、関東でも周りの友達と一緒に使っていた思い出があります。
そもそも『~だべ?』は、横浜・湘南・相模原辺りの神奈川県民もたまに使う方言のようです。
「関東にも方言ってあるんだな」と驚いた思い出でした。
秋田県民が本当に苦労したのは…?
ここまでは秋田弁という方言そのものを取り上げてきましたが、一番苦労したのがアクセントです。
「が」のように濁音が多くなったりする『訛り』にも苦労しましたが、アクセントの違いにはなかなか慣れることができませんでした。
特に苦労して馴染めなかったアクセントが、名前です。
これは秋田の中でも僕の住んでいる辺りだけなのかもしれませんが、3文字の名前の場合、真ん中の文字を強く言ってしまう傾向があります。
それに気が付いたのはロンドンブーツ1号2号がブレイクした時です。
友達は田村淳さんの”ア”を強めに言っていました。
しかし、地元・秋田で『アツシ』という名前の友達を呼ぶ時には、僕たちは”ツ”を強調します。(標準語では「アツシ」。秋田では「アツシ」)
日本語の『バナナ』はどちらかと言えば”バ”を強調しますが、英語では『banana』の真ん中の”na”を強調しますよね?
そんな違いです。(日本語では「バナナ」。英語では「banana」)
僕の名前も3文字なので、何かの申し込みなどを行う時、電話口で何度も名前を聞き返されてしまうのも非常に嫌でした。
ちなみにこれは今でも慣れていませんけどね(^^;)
まとめ
今回は、僕が関東時代に苦労した秋田弁やアクセントについてご紹介しました。
とは言え、基本的にはみんないい人たちで、秋田弁だからといって馬鹿にされたことは、ほぼなかったです。
ですから、これから県外に行く予定のある秋田県民の方は、あまりビビる必要はありませんよ。
また、今回紹介した秋田弁は、秋田県民以外の方にも分かりやすかったかもしれませんね。
しかし、本当に難しい秋田弁はまだまだあります。
こちらでは、あの映画で使われていた秋田弁を徹底的に解説してみましたので、よろしければ合わせてチェックしてみてくださいね。