秋田弁が知られるようになったのは、踊る大捜査線で柳葉敏郎さん(室井慎次役)が使っていたのが大きなきっかけになりましたよね。
大体いつも終盤でストーリーが一段落したところで言っていましたので、それまでの緊張感が緩んだところで秋田弁を使うあたりは、タイミング的にも非常に絶妙でした^^
そこで今回は、踊る大捜査線で室井(柳葉敏郎)が使っていた秋田弁を一覧にして、分かりやすく解説していきたいと思います。
踊る大捜査線で室井(柳葉敏郎)が使っていた秋田弁一覧!
ほんじなっす
「ほんじなっす」は1998年に公開された映画の第1作目「踊る大捜査線 THE MOVIE」で使っており、これは秋田弁では『大馬鹿者』という意味になります。
青島(織田裕二)が犯人の母に刺され、すみれ(深津絵里)と一緒に車で病院へ向かっている車中の中で、亡くなったかと思いきや寝ていた青島に対して言っていましたが、ちょっと柳葉さんのこの言い方は訛りが強かったですね^^;
分かりやすく言うと、これは「ほじなし」で、「ほじ」には『物事の分別』というような意味があります。
それが「無し」なので「分別がない」、つまり『大馬鹿者』ということになるのです。
また、秋田弁では「無い」ことを『ね』とも言いますので、「◯◯はほじねぇ」のように使われることも多いですね。
さらに、逆に「ほじがつく」というと「分別がある」という意味なので、昔はやんちゃだった子が大人になって立派になると、「◯◯は大人になってほじついだな~」なんて言われたりもします。
かだっぱりこいで
「かだっぱりこいで」は2003年に公開された映画の第2作目「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」で使っており、これは秋田弁で『意地を張りやがって』という意味になります。
警視総監の表彰式のシーンで、表彰を受けずに仕事である捜査を優先した青島に対して室井が言っていました。
「かだっぱり=意地っ張り」「こいで=~して」という意味です。
ちなみに「こいで」は色んな言葉の後ろにつきますが、変化すると「こぎ=~な人」のような意味にもなります。
例えば「嘘こいで=嘘を言って、嘘を言いやがって」、「嘘こぎ=嘘つき」のような感じです。
へっちゃまげな
「へっちゃまげな」は2010年に公開された映画の第3作目「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」で使っており、これは秋田弁で『大きなお世話だ』のような意味になります。
青島に「室井さん、(仕事)楽しいですか?」と聞かれた最後のシーンで言っていました。
「まげる」には「~する」という意味がありますので、「まげな」と言うことで「~するな」という否定の意味になります。
そして「へっちゃ」には「世話」という意味がありますので、「へっちゃまげな=大きなお世話だ」となるのです。
へばなしたっちょ
「へばなしたっちょ」は2012年にテレビのスペシャル版で放送された「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」で使っており、これは『だからどうした?』という意味になります。
最後のシーンで小栗旬さん演じる鳥飼に「あなたがしてきたことは偽善だ」と言われたことに対してのセリフでした。
これは秋田県民である僕もわりとよく使いますが、「へば=だから、それで」「なしたっちょ=どうしたの?」という意味です。
ただし、「なした」だけでも「どうしたの?」という意味になりますので、「っちょ」はついてもつかなくても意味は通じます。
では、なぜ「っちょ」をつけてしまうのか?
それは同じ秋田県民である僕にもよく分かりません^^;
「へばなした」以外では「っちょ」をつけることはあまりありませんが、ついつい言ってしまう”秋田弁あるある”なのかもしれませんね。
おじまげな
「おじまげな」は2012年に公開された映画の第4作目「踊る大捜査線 the final 新たなる希望」で使っており、これは『かっこつけるな』という意味になります。
室井が青島に「大切なものだ。しまっておけ。」と警察手帳を渡した時、青島が「大切なものはここ(胸)にありますから」」と言ったことに対してのセリフでした。
ちなみにこれは「おじまげる=かっこつける」という意味で、最後に「な」と否定することで『かっこつけるな』となります。
最後に
(青=秋田市、黄緑=大仙市、黄色=横手市)
柳葉敏郎さんは秋田の大仙市(旧・西仙北町)出身です。
そして、今回は柳葉さんが踊る大捜査線の中で使っていた秋田弁を5つ紹介しましたが、実は「かだっぱりこいで」「へっちゃまげな」「おじまげな」の3つは、僕の周りで使う人はほとんどいません。
しかし、例えば「おじまげる」なんかは、柳葉さんと同じ旧・西仙北町出身の方はよく使っているのを聞きますので、「同じ秋田でも言葉って変わるんだな」と最近よく感じています。
なので、やっぱり秋田弁って難しいのかもしれませんね。
秋田弁をもっと知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。